ハイドロキノンは「シミの漂白剤」とも呼ばれる、美白効果の高い外用薬です。天然ではイチゴや麦芽などにも含まれており、皮膚の色素であるメラニンの生成を抑える働きがあります。
もともと工業用途に使われていましたが、現像作業に関わっていた人々の肌が白くなったことがきっかけで、美白効果が注目されました。
どんなシミに効果があるの?
ハイドロキノンは、特に以下の表皮にあるシミに効果が期待できます。
- 老人性色素斑(日光性色素斑):紫外線による加齢性のシミ
- 肝斑(かんぱん):ホルモンバランスの乱れによる左右対称の薄いシミ
- 炎症後色素沈着:ニキビ跡ややけど、かぶれの後にできる色素沈着
注意:皮膚の深い部分にあるシミや、いぼ・あざなどには効果が乏しく、レーザー治療が適している場合があります。
ハイドロキノンの使用方法
- 使用は夜のみ!
紫外線に当たると逆にシミが濃くなることがあるため、夜の洗顔後に1日1回使用します。 - 塗る順番
洗顔 → 化粧水 → 乳液 → ハイドロキノン(必要があればトレチノインをその上に) - 使い方のコツ
・部分的なシミに:ピンポイントで塗布
・顔全体のトーンアップ目的:薄く全体に塗布
・初めての方は、まず腕の内側などでパッチテストを行いましょう。
使用時の注意点
紫外線対策は必須
日中はSPF20以上の日焼け止めを使用しましょう。紫外線はシミを悪化させる原因になります。
長期使用には注意
3ヶ月以上続けても効果が乏しい場合は中止し、他の治療(レーザーなど)を検討してください。だらだら使い続けると、「白斑(はくはん)」という白抜けのリスクが高まります。
副作用について
- 短期的な副作用:かぶれ、赤み、ヒリヒリ感など。異常を感じたらすぐに使用を中止し、ご相談ください。
- 長期的な副作用:長期間の使用による白斑や効果の減弱。
市販と医療用の違い
市販のハイドロキノンは製品によって濃度に差があります。医療機関では、4%前後の濃度が一般的で、効果と安全性のバランスが取れているとされています。
※トレチノイン(レチノイン酸)は医療機関での処方が必要です。併用することで、ハイドロキノンの美白効果をさらに高めることができます。
まとめ
- ハイドロキノンは、シミを予防・改善する外用美白剤です。
- 表皮にあるシミ(老人性色素斑、肝斑、色素沈着)には効果が期待できます。
- 正しく使えば安全で効果的ですが、紫外線対策・使用期間・濃度管理がとても大切です。
- 肌に合わないと感じたら、自己判断せずに皮膚科を受診しましょう。