その赤み、ニキビ?酒さ?

公開日:2026年9月28日/最終更新日:2026年9月28日 | 執筆・監修:スキンクリニック相模大野 院長 山岸 大樹(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)

結論から言うと、頬や鼻を中心とした「持続する赤み」や「ほてり」「ブツブツ」は、ニキビではなく酒さ(しゅさ)の可能性があり、ニキビ治療とは異なる対応が必要です。

顔の赤みが続く、ニキビの薬を使っても良くならない、むしろ悪化する。それは酒さかもしれません。この記事では、酒さの特徴、ニキビとの違い、保険・自費の治療、悪化を避ける工夫を解説します。保険診療と自費診療の両方に対応します。

酒さ(しゅさ)とは

酒さは、顔の中心部(頬・鼻・額・あご)に、持続的な赤み、ほてり、細かい血管の拡張、ニキビに似たブツブツなどが現れる、慢性の皮膚疾患です。

中年以降に多く見られますが、若い方にも起こります。「赤ら顔」として気にされることが多く、温度差・アルコール・刺激などで赤みが強まるのが特徴です。はっきりした原因は分かっていませんが、血管の反応性の高さ、皮膚の常在ダニ(毛包虫)、体質などが関与すると考えられています。

酒さとニキビの違いを、中心症状・コメドの有無・血管拡張・悪化要因で比較した図
図1:酒さとニキビの違い。持続する赤みが中心で、白・黒ニキビがないのが酒さの特徴です

ニキビとの違い

酒さは、ニキビ(尋常性痤瘡)とよく似ていますが、異なる病気です。見分けが大切なのは、ニキビの薬が酒さには効きにくく、むしろ刺激で悪化することがあるためです。

酒さニキビ
中心症状持続する赤み・ほてり毛穴の詰まり(コメド)
コメド(白・黒ニキビ)基本的にないある
血管の拡張目立つことが多い目立たない
悪化要因温度差・アルコール・刺激皮脂・詰まり
好発年齢中年以降が多い思春期〜大人

「大人ニキビが治らない」と思っていたら酒さだった、というケースもあります。大人ニキビの記事とあわせて、見分けにお役立てください。

放置するとどうなる?

酒さは、放置すると赤みや血管拡張が定着し、進行すると鼻などの皮膚が厚くごつごつしてくる(鼻瘤:びりゅう)ことがあります。また、慢性的な顔の赤みは、見た目の負担から気持ちにも影響することがあります。

命に関わる病気ではありませんが、適切な治療で症状を抑え、進行を防ぐことができます。「体質だから」とあきらめず、また誤ってニキビ用の強い薬で刺激し続けないためにも、正しい診断を受けることが大切です。

酒さのタイプ

酒さは、現れる症状によっていくつかのタイプに分けられ、タイプに応じて治療の重点が変わります。

タイプ主な症状
紅斑・毛細血管拡張型持続する赤み、細かい血管の拡張、ほてり
丘疹・膿疱型ニキビに似た赤いブツブツ、膿を持つことも
腫瘤・鼻瘤型皮膚が厚くごつごつする(進行例、特に鼻)
眼型目の充血、異物感、乾燥感

複数のタイプが混在することもあります。赤み中心なら光治療、ブツブツ中心なら外用・内服、というように、タイプを見極めて治療を組み立てます。

治療法

酒さの治療は、症状のタイプに応じて、保険診療と自費診療を組み合わせます。

保険診療

  • 外用薬:ブツブツ(丘疹・膿疱)に対して、メトロニダゾールやイベルメクチンのクリームなどを用います
  • 内服薬:症状が強い場合、抗菌作用・抗炎症作用のある内服薬を使うことがあります

自費診療

  • IPL(フォトフェイシャル):持続する赤みや血管の拡張に対して、血管に反応させて目立たなくします。IPLの記事もご覧ください

赤み(血管の拡張)にはIPLなどの光治療、ブツブツには外用・内服、というように、症状に応じて使い分け・組み合わせをご提案します。効果には個人差があり、繰り返しの治療や継続が必要なことが多い疾患です。

悪化を避ける生活の工夫

  • 刺激を避ける:ゴシゴシ洗顔、強い化粧品、熱いお湯を避け、やさしいスキンケアを
  • 紫外線対策:紫外線は酒さを悪化させます。日焼け止め・帽子を
  • 悪化要因を把握:アルコール、香辛料、極端な温度差、ストレスなど、自分の悪化のきっかけを避ける
  • 保湿:バリア機能を保つことも大切です

受診や治療を迷っている段階でも、公式LINEでご相談いただけます

「自分の症状で受診してよいのか」「まず費用の目安だけ知りたい」といったご質問は、公式LINEからお気軽にお送りください。ご予約前の確認だけでも承っています。LINEからそのままご予約いただくことも可能です。

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当院での酒さの診療について

当院では、酒さ・赤ら顔のご相談は月間約200件です。

当院が酒さの診療でまず大切にしているのは、「それが本当に酒さか、ニキビや他の赤みと区別すること」です。酒さにニキビ用の強い治療を続けると悪化するため、診断が治療の出発点になります。そのうえで、赤みには光治療、ブツブツには外用・内服と、症状に応じてご提案します。

また、酒さは悪化要因を避ける生活の工夫も治療の一部です。何がご自身の赤みを強めるのかを一緒に整理し、日常でできる対策もお伝えします。

相模大野エリアでは、気温差の大きい季節や、紫外線の強い時期にご相談が増える傾向があります。

診察室でよくいただくご質問

「赤ら顔は体質だから治らないと思っていました」というお声をよくいただきます。確かに酒さは体質的な要素があり、完全に消し去るのは難しいこともあります。ただ、外用・内服や光治療で赤みやブツブツを抑え、目立たない状態を保つことは十分に目指せます。悪化要因を避ける工夫と組み合わせれば、以前よりずっと楽になる方が多いです。あきらめる必要はありません。

よくあるご質問

Q1. 酒さとニキビはどう違いますか

酒さは持続する赤み・ほてりが中心で、白・黒ニキビ(コメド)は基本的にありません。ニキビは毛穴の詰まりが主体です。酒さにニキビの薬を使うと悪化することがあるため、見分けが大切です。

Q2. 酒さは治りますか

体質的な要素があり完全に消し去るのは難しいこともありますが、治療で赤みやブツブツを抑え、目立たない状態を保つことは十分目指せます。悪化要因を避ける工夫も効果的です。

Q3. 保険は使えますか

ブツブツ(丘疹・膿疱)に対する外用・内服治療は保険適用です。一方、持続する赤みや血管拡張に対するIPLなどの光治療は自由診療となります。症状に応じて組み合わせをご提案します。

Q4. 市販の化粧品で治せますか

酒さの肌は刺激に敏感なため、合わない化粧品でかえって悪化することがあります。市販品で改善しない赤みやブツブツは、自己判断で色々試すより、診察を受けて適切な治療を選ぶことをおすすめします。

顔の赤み・ほてり・ブツブツが続く方は、一度ご相談ください。
酒さかどうかを見極め、赤みには光治療、ブツブツには外用・内服とご提案します。

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監修:山岸 大樹(やまぎし ひろき)

スキンクリニック相模大野 院長

香川大学医学部卒。東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科に長年勤務し、地域クリニックでも診療経験を積む。2024年8月、相模大野にて開院。一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く診療にあたる。

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

参考文献・引用元

  • 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン」
  • 各医薬品の添付文書
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」

※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の効果には個人差があります。記載の費用は2026年9月時点のもので、保険点数の改定等により変動する場合があります。自由診療の料金はすべて税込表示です。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。