水いぼは取るべき? 塗り薬という選択肢も

公開日:2026年9月28日/最終更新日:2026年9月28日 | 執筆・監修:スキンクリニック相模大野 院長 山岸 大樹(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)

結論から言うと、水いぼは自然に治ることもありますが、数が増える・人にうつる・掻き壊すといった問題があり、状況に応じて取るかどうかを判断します。プールは水では原則うつりません。

お子さまの肌にできる、つやのある小さなブツブツ。水いぼ(伝染性軟属腫:でんせんせいなんぞくしゅ)は、保護者の方から「取るべき?」「プールは?」「痛い処置は避けたい」というご相談の多い疾患です。当院では、痛みのない塗る治療(MBFクリーム)を中心に、お子さまの負担が少ない方法をご提案しています。この記事では治療の考え方を解説します。

水いぼ(伝染性軟属腫)とは

水いぼは、ウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)による感染でできる、つやのある肌色〜白色の小さなブツブツです。中央がへこんで見えることがあり、中には白いかたまり(ウイルスを含む)が入っています。

主に子どもにでき、体・わき・ひじやひざの内側などに多く見られます。かゆみは少ないですが、掻いて中身が出ると、その手で触れた別の部位にうつって増えていきます。

プールに入っていい?

プールの水を介してうつることは、原則ありません。

そのため、日本臨床皮膚科医会などは「水いぼがあってもプールに入ってよい」としています。ただし、肌と肌の直接の接触や、ビート板・タオル・浮き輪の共用でうつることがあります。プールそのものより、こうした接触に注意が必要です。

園やスクールによっては独自のルール(水いぼがあるとプール不可、覆えば可など)がある場合があるため、通っている施設の方針もご確認ください。

水いぼの特徴とプール・治療の考え方を、うつる経路と取る場合・経過を見る場合の判断で整理した図
図1:水いぼの考え方。プールの水ではうつらず、取るか待つかは状況に応じて判断します

自然に治る?取るべき?

水いぼは、免疫ができれば自然に治ります。半年〜数年で自然消退することが多いとされます。ただし、それまでの間に数が増えたり、人にうつしたりすることがあります。

「取るか、自然に治るのを待つか」は、次のような点をふまえて、ご家庭と相談しながら決めます。

取ることを検討する場合経過を見る場合
数が多い・増えてきている数が少なく、増えていない
掻き壊している、広がっている本人が気にしていない
きょうだいや周囲にうつっているもうすぐ自然に治りそう
園・スクールで求められている処置の痛みを避けたい

「必ず取らなければいけない」ものではありません。お子さまの状況やご希望を伺って、一緒に方針を決めます。

放置するとどうなる?

放置しても、いずれ自然に治ることが多いですが、その過程で数が増える、きょうだいや友だちにうつる、掻き壊して細菌の二次感染(とびひ)を起こす、といったことがあります。特に、アトピーなどで肌が乾燥・バリア低下している場合は、広がりやすい傾向があります。

掻き壊しを防ぐため、肌の保湿を保つこと、爪を短くすることも大切です。

広げない・うつさない工夫

水いぼは、日常の工夫で広がりを抑えられます。

  • 掻かない・いじらない:中身が出ると、その手で触れた部位にうつって増えます。爪を短くしましょう
  • タオル・浮き輪・ビート板を共用しない:ご家族・お友だちと分けて使います
  • 肌を保湿する:乾燥した肌は水いぼが広がりやすいため、保湿でバリアを保ちます
  • 掻き壊しそうな部分は覆う:絆創膏や衣類で覆うと、広がりや接触を防げます

皮膚科での治療

水いぼの治療にはいくつかの方法がありますが、当院では、お子さまの負担が少ない「塗る治療(MBFクリーム)」を、まずおすすめしています。

当院おすすめ:MBFクリーム(塗る治療)

痛くない・ご自宅でケアできる

MBFクリームは、水いぼにやさしく塗って使う外用剤です。ピンセットでつまむ処置と違って痛みがなく、お子さまが治療をこわがりにくいのが大きな特徴です。ご自宅で続けていただけるため、通院のたびに痛い思いをさせずに済みます。

「取るのはかわいそう」「痛がるので通院が憂うつ」という保護者の方に、特に選ばれています。数が多いお子さまや、つまむ処置を痛がるお子さまにも取り入れやすい方法です。効果や必要な期間には個人差があります。MBFクリームは自由診療となります。

まずは痛みのない塗る治療から始め、状況に応じて他の方法も組み合わせる——というのが、当院が大切にしている進め方です。

ピンセットで取る方法(従来の処置)

専用のピンセットで水いぼをつまみ、中身を取り除く方法です。確実に取り除ける一方、痛みを伴うため、あらかじめ麻酔のテープ(ペンレステープなど)を貼って痛みを和らげてから行います。テープは処置の1時間ほど前に貼る必要があります。数が多い場合は複数回に分けます。この方法は保険適用です。

お子さまの状況やご希望に合わせて、塗る治療・つまむ処置・経過を見る、から一緒に選びます。「痛い処置は避けたい」というご希望も、遠慮なくお伝えください。

費用の目安:ピンセットでの処置は保険適用で、お子さまは各自治体の医療費助成の対象となることが多いです。MBFクリームは自由診療となります。料金は診察時にご案内します。

受診や治療を迷っている段階でも、公式LINEでご相談いただけます

「自分の症状で受診してよいのか」「まず費用の目安だけ知りたい」といったご質問は、公式LINEからお気軽にお送りください。ご予約前の確認だけでも承っています。LINEからそのままご予約いただくことも可能です。

公式LINEはこちら

当院での水いぼの診療について

当院では、水いぼのご相談は、お子さまを中心に月間約20件です。

当院が水いぼの診療で大切にしているのは、お子さまの負担をできるだけ小さくすることです。そのため、まずは痛みのない塗る治療(MBFクリーム)をおすすめしています。「必ず取る」でも「必ず待つ」でもなく、数や広がり、園の方針、お子さまの負担を伺って、塗る・取る・経過を見るを一緒に判断します。つまむ処置を行う場合も、麻酔テープで痛みにできるだけ配慮します。

また、水いぼが広がりやすい背景に、肌の乾燥やバリア低下があることも多いため、日頃のスキンケアもあわせてご提案します。

相模大野エリアでは、プールが始まる時期を前に、水いぼのご相談が増える傾向があります。

診察室でよくいただくご質問

「取るのは痛そうでかわいそう」というお声をよくいただきます。当院では、まず痛みのない塗る治療(MBFクリーム)をおすすめしているので、「痛い処置をせずに、まずやさしくケアしたい」というご希望にお応えできます。もちろん、数や状況によってはつまむ処置や経過観察も選べます。お子さまの負担とご家庭のご希望を伺って、一緒に決めていきましょう。

よくあるご質問

Q1. 水いぼがあってもプールに入れますか

プールの水を介してうつることは原則ないため、入って問題ないとされています。ただし肌の接触やビート板・タオルの共用でうつることがあります。園・スクールの方針もご確認ください。

Q2. 放っておいても治りますか

免疫ができれば自然に治ります(半年〜数年)。ただしその間に増えたり、人にうつしたりすることがあります。数や状況を見て、取るか経過を見るかを判断します。

Q3. 痛くない治療はありますか

あります。当院では、痛みのない塗る治療(MBFクリーム)をまずおすすめしています。ご自宅でやさしく塗ってケアでき、お子さまがこわがりにくいのが特徴です。つまんで取る方法を選ぶ場合も、麻酔のテープを事前に貼って痛みを和らげますので、ご安心ください。効果や必要な期間には個人差があります。

Q4. きょうだいにうつりますか

肌の接触やタオル・浮き輪の共用でうつることがあります。タオルを分ける、一緒のお風呂で肌が触れすぎないようにする、といった配慮でうつりにくくなります。掻き壊さないことも大切です。

お子さまの水いぼでお悩みの方は、一度ご相談ください。
当院では痛みの少ない塗る治療(MBFクリーム)を中心に、お子さまに合った方法をご提案します。

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監修:山岸 大樹(やまぎし ひろき)

スキンクリニック相模大野 院長

香川大学医学部卒。東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科に長年勤務し、地域クリニックでも診療経験を積む。2024年8月、相模大野にて開院。一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く診療にあたる。

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

参考文献・引用元

  • 日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会「学校、幼稚園、保育園におけるプールでの感染症予防」
  • 日本皮膚科学会「伝染性軟属腫(水いぼ)」疾患情報
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」

※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の効果には個人差があります。記載の費用は2026年9月時点のもので、保険点数の改定等により変動する場合があります。自由診療の料金はすべて税込表示です。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。