乾燥肌の対策 保湿の正しい使い方

公開日:2026年10月24日/最終更新日:2026年10月24日 | 執筆・監修:スキンクリニック相模大野 院長 山岸 大樹(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)

結論から言うと、冬にすねや腕がかゆくなるのは、乾燥で肌のバリアが弱った「皮脂欠乏性湿疹」の可能性があり、正しい保湿と、炎症があれば治療で改善できます。

空気が乾燥する季節、すね・腕・背中がカサカサしてかゆい。掻くと悪化する。それは乾燥による湿疹(皮脂欠乏性湿疹:ひしけつぼうせいしっしん)かもしれません。この記事では、原因、保湿剤の正しい使い方、受診の目安を解説します。保険診療で対応します。

乾燥肌・皮脂欠乏性湿疹とは

皮脂欠乏性湿疹は、皮膚の潤い(皮脂や水分)が減って乾燥し、バリア機能が低下したところに、刺激が加わって炎症(かゆみ・赤み・皮むけ)が起こる状態です。「乾皮症(かんぴしょう)」が進んで湿疹になったものです。

特にすね、腕、背中、脇腹など、皮脂の分泌が少ない部位に出やすく、冬に多く見られます。カサカサ、白い粉をふく、ひび割れ、かゆみが特徴で、掻くと湿疹が悪化する悪循環に陥りやすくなります。

乾燥肌のバリア機能が低下してかゆみが起こる仕組みと、正しい保湿でバリアを補う様子を示した図
図1:乾燥肌の仕組みとケア。バリアが弱った肌を、正しい保湿で補うことが大切です

なぜ冬に悪化する?

乾燥肌が冬に悪化するのには、いくつかの理由が重なります。

  • 空気の乾燥:冬は湿度が下がり、肌の水分が奪われます
  • 皮脂・汗の減少:気温が下がると皮脂や汗の分泌が減り、肌を守る膜が薄くなります
  • 暖房:室内の乾燥をさらに進めます
  • 熱いお湯・こすり洗い:熱いお湯やナイロンタオルでのこすり洗いは、必要な皮脂まで奪います
  • 加齢:年齢とともに皮脂・水分が減り、乾燥しやすくなります

これらが重なって、肌のバリアが弱り、少しの刺激でかゆみが出るようになります。

放置するとどうなる?

乾燥によるかゆみを放置して掻き続けると、湿疹が悪化し、皮膚が厚く硬くなったり、掻き壊した傷から細菌感染を起こしたりすることがあります。かゆみで眠れず、生活の質が下がることもあります。

また、「乾燥くらい」と保湿だけで我慢していると、すでに炎症が起きている場合は治りません。掻いてしまうほどのかゆみや、赤みがある場合は、保湿だけでなく炎症を抑える治療が必要です。市販の保湿では追いつかないときは、一度受診をおすすめします。

保湿剤の正しい塗り方

乾燥肌のケアの基本は保湿ですが、塗り方・タイミング・量で効果が大きく変わります。

ポイント

  • 入浴後5分以内に塗る:肌が水分を含んでいるうちに、逃がさないよう塗ります
  • たっぷり塗る:「ティッシュが貼りつく」「少しテカる」程度が目安。薄すぎると効果が不十分です
  • すり込まず、やさしくのせる:こするのは刺激になります。毛の流れに沿って塗ります
  • 1日2回以上:朝と入浴後など、こまめに。乾燥する時期は回数を増やします

保湿剤には、さらっとしたローション、しっとりしたクリーム・軟膏など種類があります。症状や季節、部位に合わせて選ぶことで、使い心地よく続けられます。

皮膚科での治療

治療は、保湿でバリアを補うことと、炎症があればそれを抑えることを組み合わせます。

治療働き
保湿剤(処方)バリア機能を補う。市販品より症状に合わせて選べる
ステロイド外用薬かゆみ・赤み(炎症)があるとき、短期的に抑える
かゆみ止めの内服かゆみが強いとき併用することがある

炎症がある湿疹には、ステロイド外用薬で炎症を抑えてから、保湿中心に移行します。保湿だけで粘るより、炎症をしっかり抑えるほうが、結果的に早く楽になります。

費用の目安:乾燥による湿疹の診療は保険適用です。3割負担で、診察と外用薬でおおよそ1,000〜2,000円程度が目安です。

受診や治療を迷っている段階でも、公式LINEでご相談いただけます

「自分の症状で受診してよいのか」「まず費用の目安だけ知りたい」といったご質問は、公式LINEからお気軽にお送りください。ご予約前の確認だけでも承っています。LINEからそのままご予約いただくことも可能です。

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日常でできる乾燥対策

  • お湯はぬるめに:熱いお湯は皮脂を奪います。38〜40℃程度で
  • こすり洗いをやめる:ナイロンタオルは避け、手や柔らかいタオルで、泡でやさしく
  • 入浴後すぐ保湿:5分以内に
  • 加湿:室内の湿度を保ちます
  • 肌に触れる衣類:チクチクする素材は刺激に。綿など肌にやさしいものを

当院での乾燥肌の診療について

当院が乾燥肌の診療で大切にしているのは、保湿の「やり方」を具体的にお伝えすることです。保湿しているのに良くならない方の多くは、量が少ない、タイミングが遅い、こすって塗っている、といったことが原因です。塗る量・タイミング・回数まで具体的にご案内します。炎症がある場合は、保湿だけでなく治療も組み合わせます。

また、乾燥の背景に、洗いすぎや熱いお湯などの生活習慣があることも多いため、日常でできる対策もあわせてご提案します。

相模大野エリアでは、空気が乾燥する冬に、かゆみのご相談が増える傾向があります。

診察室でよくいただくご質問

「保湿しているのにかゆいのはなぜ?」というご質問をよくいただきます。多くの場合、保湿の量が足りない、入浴後すぐ塗れていない、こすって塗っている、といったことが背景にあります。また、すでに炎症(湿疹)が起きている場合は、保湿だけでは治らず、炎症を抑える治療が必要です。かゆくて掻いてしまう状態なら、保湿だけで我慢せず、一度ご相談ください。

よくあるご質問

Q1. 乾燥によるかゆみに保険は使えますか

使えます。皮脂欠乏性湿疹(乾燥による湿疹)の診察・治療は保険適用です。処方の保湿剤や、炎症を抑える薬を使えます。

Q2. 保湿剤はいつ塗るのがいいですか

入浴後5分以内が最も効果的です。肌が水分を含んでいるうちに、逃がさないよう塗ります。朝や日中も、乾燥を感じたらこまめに塗りましょう。

Q3. 市販の保湿剤ではだめですか

軽い乾燥なら市販品でも構いません。ただし、かゆみや赤み(炎症)がある場合や、市販品で改善しない場合は、症状に合った処方の保湿剤や治療のほうが確実です。

Q4. ステロイドを塗ると乾燥が悪化しませんか

ステロイドは炎症(かゆみ・赤み)を抑える薬で、乾燥そのものを悪化させるものではありません。炎症を抑えたうえで保湿を続けることで、肌の状態が整います。炎症がある時期に短期的に使い、落ち着いたら保湿中心に移行します。

冬の乾燥肌・かゆみでお悩みの方は、一度ご相談ください。
保湿の正しいやり方から、炎症の治療まで、具体的にご提案します。

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監修:山岸 大樹(やまぎし ひろき)

スキンクリニック相模大野 院長

香川大学医学部卒。東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科に長年勤務し、地域クリニックでも診療経験を積む。2024年8月、相模大野にて開院。一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く診療にあたる。

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

参考文献・引用元

  • 日本皮膚科学会「皮脂欠乏性湿疹」関連情報
  • 各医薬品の添付文書
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」

※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の効果には個人差があります。記載の費用は2026年9月時点のもので、保険点数の改定等により変動する場合があります。自由診療の料金はすべて税込表示です。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。