肝斑について

公開日:2026年6月30日/最終更新日:2026年7月20日 | 執筆・監修:スキンクリニック相模大野 院長 山岸 大樹(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)

結論から言うと、肝斑には一般的なシミ取りレーザーを当ててはいけません。かえって濃くなることがあるためです。

肝斑は、内服薬・低出力のレーザー・日々のケアを組み合わせて、少しずつ薄くしていくシミです。この記事では、肝斑を見分けるポイント、なぜ普通のレーザーがNGなのか、正しい治療の進め方、費用までを解説します。

肝斑(かんぱん)とは

肝斑は、頬骨のあたりや額、口のまわりに、左右対称にもやっと広がる薄茶色のシミです。30〜50代の女性に多く見られます。境界がはっきりせず、輪郭がぼんやりしているのが特徴です。

「肝」という字が使われていますが、肝臓とは関係ありません。色が肝臓の色に似ていることに由来する名前です。

肝斑の原因

はっきりした原因は分かっていませんが、女性ホルモンの変動が深く関わっていると考えられています。妊娠・出産、経口避妊薬の使用、更年期などをきっかけに現れたり濃くなったりします。

さらに、肝斑を悪化させる大きな要因が摩擦です。洗顔でこする、タオルで拭く、化粧をゴシゴシ落とす、マッサージするといった物理的な刺激が、肝斑を濃くします。紫外線も同様に悪化因子です。

肝斑を見分けるポイント

肝斑の可能性が高い特徴

  • 頬骨のあたりに左右対称に出ている
  • 輪郭がぼんやりして、もやっと広がっている
  • 薄い茶色で、均一に近い
  • 30代以降に出てきた、または濃くなった
  • 目のまわりだけ避けるように出ている(眼囲を避ける傾向)

ただし、肝斑には老人性色素斑やそばかすが混在していることが多く、見た目だけの自己判断は困難です。診察でダーモスコピーや画像診断を用いて確認します。

肝斑に強いレーザーを当てると炎症を介してメラニンが増え悪化する仕組みを示した図
図1:肝斑に強い照射を行うと、炎症をきっかけにかえって濃くなることがあります

なぜ普通のレーザーがNGなのか

肝斑に強いレーザーを当てると、炎症が引き金になって悪化します。

老人性色素斑に使うようなQスイッチレーザーのスポット照射は、強いエネルギーで色素を破壊します。しかし肝斑の肌はこの刺激に非常に敏感で、レーザーによる炎症をきっかけにメラニンの産生がかえって活発になり、以前より濃くなってしまうことがあります。

「シミだと思ってレーザーを受けたら濃くなった」という相談は少なくありません。その多くが、肝斑と気づかずに強い照射を受けたケースです。だからこそ、治療前に肝斑かどうかを見極めることが決定的に重要になります。

肝斑の正しい治療

肝斑は、複数のアプローチを組み合わせて、時間をかけて薄くしていきます。

内服薬

トラネキサム酸の内服が基本になります。メラニンを作る指令を抑える働きがあり、肝斑に対して用いられます。ビタミンCなどを併用することもあります。数ヶ月単位で continue して効果をみていきます。

ピコトーニング

低出力のレーザーを顔全体に優しく繰り返し当てる方法です。肝斑を刺激しすぎないエネルギーで、少しずつメラニンを減らしていきます。2週間〜1ヶ月ごとに5回以上を目安に行います。

外用薬

ハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬を組み合わせることがあります。使い方に注意が必要な薬のため、医師の指示のもとで使用します。

日々のケア(最も重要)

どんな治療をしても、こすり続けていれば肝斑は改善しません。摩擦を避けること、徹底した紫外線対策が、治療と同じくらい大切です。

費用(自由診療・税込)

施術・薬剤料金(税込)
ピコトーニング料金表ページをご確認ください
トラネキサム酸内服・外用薬内服は1ヶ月1650円~、診察時にご案内
初診料(画像診断機NeoVoir撮影込)4,400円
再診料1,100円

当院ではピコトーニングに回数割引を設定していません。過剰照射による脱色素斑を避けるため、状態を確認しながら1回ずつ進める方針だからです。

受けられない方・注意

  • 妊娠中・授乳中の方(内服薬・レーザーとも制限があります)
  • トラネキサム酸は、血栓症の既往がある方などは慎重投与または使用不可となります。既往歴は必ずお伝えください
  • ピコトーニングの副作用として、赤み、まれに脱色素斑などが生じることがあります

施術を迷っている段階でも、公式LINEでご相談いただけます

「自分の肌に合う施術か知りたい」「まず費用の見積もりだけ聞きたい」といったご質問は、公式LINEからお気軽にお送りください。ご予約前の確認だけでも承っています。LINEからそのままご予約いただくことも可能です。

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当院での肝斑治療について

当院が肝斑治療で最初に行うのは、「本当に肝斑か」「他のシミが混ざっていないか」の見極めです。肝斑と老人性色素斑が混在している場合は、先に肝斑を落ち着かせてから、残った濃いシミにスポット照射を行うなど、順序を工夫します。いきなり全体にスポットを当てることはしません。

また、治療と同じくらい「こすらないケア」を重視してお伝えしています。高価な治療を受けても、毎日の摩擦で相殺されてしまうことが実際に多いためです。

診察室でよくいただくご質問

「洗顔のとき、どのくらい優しくすればいいですか」とよく聞かれます。目安は「泡で洗って、手が肌に触れないくらい」です。泡をクッションにして、指の腹も直接肌をこすらないイメージです。タオルも押さえるだけ。ここまで徹底して初めて、肝斑のケアとして意味が出てきます。

よくあるご質問

Q1. 肝斑は完全に消えますか

完全に消し切るより、目立たない状態を維持することを現実的な目標とします。ホルモンや摩擦の影響を受けやすいため、良くなっても再び濃くなることがあります。付き合っていくシミと考えて、無理のない治療を続けることが大切です。

Q2. 市販の美白化粧品では治りませんか

軽度であれば補助にはなりますが、肝斑そのものを薄くする力は限られます。また、塗るときにこすってしまうと逆効果になることもあります。3ヶ月使って変化がなければ、医療機関でのご相談をおすすめします。

Q3. トラネキサム酸はどのくらい飲み続けますか

効果をみながら数ヶ月単位で継続します。自己判断で市販薬を長期に飲み続けるのは避け、医師の管理のもとで使用してください。

Q4. 妊娠中・授乳中でも治療できますか

妊娠中・授乳中は、内服薬やレーザー治療を控えるのが基本です。この時期は、こすらないスキンケアと紫外線対策を中心に行います。妊娠を機に肝斑が出た場合、産後に自然と薄くなることもあります。授乳が終わってから本格的な治療を検討しましょう。

左右対称のもやっとしたシミでお悩みの方は、一度ご相談ください。
肝斑かどうかを見極めたうえで、悪化させない治療をご提案します。

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監修:山岸 大樹(やまぎし ひろき)

スキンクリニック相模大野 院長

香川大学医学部卒。東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科に長年勤務し、地域クリニックでも診療経験を積む。2024年8月、相模大野にて開院。一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く診療にあたる。

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

参考文献・引用元

  • 日本皮膚科学会「しみ・肝斑」関連情報
  • 各医薬品の添付文書(トラネキサム酸)
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」

※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の効果には個人差があります。自由診療の料金はすべて税込表示で、2026年7月時点のものです。料金は予告なく変更となる場合があります。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。