性感染症は皮膚科?泌尿器科?

公開日:2026年9月28日/最終更新日:2026年9月28日 | 執筆・監修:スキンクリニック相模大野 院長 山岸 大樹(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)

結論から言うと、性感染症の中には皮膚や粘膜に症状が出るものがあり、皮膚科で診断・治療できるものと、泌尿器科・婦人科での対応が適するものがあります。

気になる皮膚症状があっても、受診をためらってしまう。そんな声をよく聞きます。この記事では、皮膚症状を伴う代表的な性感染症、受診の目安、検査と治療の流れを、皮膚科専門医の立場から、正確な医療情報としてお伝えします。多くは保険診療の対象です。

性感染症で皮膚・粘膜に症状が出るもの

性感染症(STI)にはさまざまな種類があり、そのうちいくつかは皮膚や粘膜に症状が現れます。皮膚科が関わることの多い代表的なものを整理します。

疾患主な皮膚・粘膜症状
梅毒しこり、手のひら・体の発疹など。時期により症状が変化
性器ヘルペス小さな水ぶくれ、痛みを伴うただれ。繰り返すことがある
尖圭コンジローマいぼ状のできもの

一方、クラミジアや淋菌による感染は、排尿時の症状やおりものの異常などが主で、皮膚症状が目立たないことが多く、これらは泌尿器科・婦人科での検査・治療が適しています。当院で皮膚症状を診察し、必要に応じて適切な診療科をご案内します。

皮膚科で診る性感染症の梅毒・性器ヘルペス・尖圭コンジローマの主な皮膚症状と、泌尿器科婦人科が適するクラミジア淋菌を整理した図
図1:性感染症の皮膚症状と受診先。皮膚症状が出るものは皮膚科、それ以外は泌尿器科・婦人科が適します

代表的な疾患の特徴

梅毒

梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、近年増加が報告されています。感染した部位に痛みのないしこりができたり(初期)、しばらくして手のひらや足の裏、体に発疹が広がったり(次の時期)と、経過とともに症状が変化するのが特徴です。症状がいったん消えても、体内では進行していることがあるため、皮膚症状が出た時点での受診が大切です。血液検査で診断でき、抗菌薬で治療します。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスによる感染症で、性器やその周囲に、小さな水ぶくれや、痛みを伴うただれができます。一度感染すると、疲れや体調不良のときに再発を繰り返すことがあります。抗ウイルス薬で治療し、再発を抑える治療もあります。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症で、性器や肛門の周囲に、先のとがった、あるいはカリフラワー状のいぼができます。痛みやかゆみは少ないことが多いですが、放置すると数が増えることがあります。塗り薬や、いぼを取り除く処置で治療します。

受診の目安

次のような症状があれば、早めの受診をおすすめします

  • 性器やその周囲、口の周りに、できもの・水ぶくれ・ただれ・いぼがある
  • 痛みのないしこりができた
  • 手のひらや足の裏、体に、原因の分からない発疹が出た
  • パートナーが性感染症と診断された

性感染症は、早く見つけて適切に治療することが大切です。症状がいったん消えても治ったとは限らず、体内で進行したり、気づかないうちにパートナーへうつしたりすることがあります。気になる症状があるときは、恥ずかしがらずに受診してください。医療機関では、プライバシーに配慮して診察します。

放置するとどうなる?

性感染症を放置すると、症状が進行したり、他の合併症につながったりすることがあります。たとえば梅毒は、治療せず長期間経過すると全身のさまざまな臓器に影響が及ぶことがあります。また、症状が軽い・消えたからといって治ったわけではなく、感染源となってパートナーや周囲にうつしてしまう可能性もあります。

早期に診断・治療すれば、多くはコントロール・完治が可能です。「もしかして」と思ったら、早めに確認することが、自分とパートナーの健康を守ることにつながります。

予防のために

性感染症は、正しい知識で予防できる部分があります。基本的な予防策を知っておくことは、自分とパートナーを守ることにつながります。

  • コンドームの使用:多くの性感染症のリスクを減らします。ただし完全に防げるわけではありません
  • 気になる症状は早めに受診:早期発見・早期治療が、進行や感染拡大を防ぎます
  • パートナーと一緒に:片方だけ治療しても再感染するため、二人で検査・治療を受けることが大切です
  • 定期的な確認:心当たりがある場合は、症状がなくても検査を検討します

「気になるけれど受診しにくい」という気持ちはよく分かります。しかし、放置して進行させたり、大切な人にうつしたりするより、早めに確認するほうが、結果的にご自身とパートナーの負担を小さくします。

検査と治療

当院での対応

①問診・視診:症状や経過を伺い、皮膚・粘膜の状態を確認します。プライバシーに配慮して行います。

②検査:疾患に応じて、血液検査や、病変からの検査を行います。

③治療:梅毒には抗菌薬、ヘルペスには抗ウイルス薬、コンジローマには塗り薬や処置など、疾患に応じた治療を行います。

④連携:クラミジア・淋菌など、泌尿器科・婦人科での対応が適するものは、適切にご案内します。

多くの性感染症の検査・治療は保険適用です。パートナーも同時に検査・治療を受けることが、再感染を防ぐうえで大切です。

受診や治療を迷っている段階でも、公式LINEでご相談いただけます

「自分の症状で受診してよいのか」「まず費用の目安だけ知りたい」といったご質問は、公式LINEからお気軽にお送りください。ご予約前の確認だけでも承っています。LINEからそのままご予約いただくことも可能です。

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当院での診療について

当院では、性感染症を疑う皮膚症状のご相談は月間約50件です。

当院が大切にしているのは、受診しやすさへの配慮と、適切な診療科へのつなぎです。デリケートな内容のため受診をためらう方が多いですが、皮膚や粘膜の症状は放置せず確認することが大切です。皮膚科で対応できるものは診断・治療し、泌尿器科・婦人科での検査が適するものは、その旨をご説明してご案内します。

「これは何科に行けばいいのか分からない」という段階でも、まず皮膚症状を診て、進むべき方向を整理するお手伝いができます。

相模大野エリアでは、パートナーの診断をきっかけに受診される方もいらっしゃいます。

診察室でよくいただくご質問

「症状が消えたのですが、受診したほうがいいですか」というご質問をいただくことがあります。性感染症の中には、症状がいったん消えても体内で進行しているものがあります。特に梅毒はその典型です。症状が消えた=治った、ではないため、心当たりがある場合は、症状がなくなっても一度検査を受けることをおすすめします。

よくあるご質問

Q1. 性感染症の検査・治療に保険は使えますか

症状があり、診断・治療が必要な場合は保険適用です。症状がなく、心配で検査だけ希望される場合(スクリーニング)は自費になることがあります。詳しくは受診時にご確認ください。

Q2. 皮膚科でも診てもらえますか

梅毒・性器ヘルペス・尖圭コンジローマなど、皮膚・粘膜に症状が出るものは皮膚科で診断・治療できます。クラミジア・淋菌など皮膚症状が目立たないものは、泌尿器科・婦人科が適しています。まず皮膚症状を診て、適切にご案内します。

Q3. パートナーも受診が必要ですか

性感染症は、パートナー間でうつし合う(ピンポン感染)ことがあります。ご自身だけ治療しても、パートナーが未治療だと再感染するため、パートナーも同時に検査・治療を受けることが大切です。

Q4. 受診時に他の人に知られませんか

医療機関には守秘義務があり、プライバシーに配慮して診察します。デリケートな内容だからこそ、安心してご相談いただけるよう努めています。気になる症状は我慢せず、ご相談ください。

気になる皮膚・粘膜の症状がある方は、我慢せず一度ご相談ください。
プライバシーに配慮して診察し、適切な検査・治療、必要な診療科へのご案内を行います。

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監修:山岸 大樹(やまぎし ひろき)

スキンクリニック相模大野 院長

香川大学医学部卒。東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科に長年勤務し、地域クリニックでも診療経験を積む。2024年8月、相模大野にて開院。一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く診療にあたる。

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

参考文献・引用元

  • 日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン」
  • 厚生労働省「性感染症に関する情報」
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」

※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の効果には個人差があります。記載の費用は2026年9月時点のもので、保険点数の改定等により変動する場合があります。自由診療の料金はすべて税込表示です。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。