頭のフケとかゆみ 脂漏性皮膚炎かも

公開日:2026年10月24日/最終更新日:2026年10月24日 | 執筆・監修:スキンクリニック相模大野 院長 山岸 大樹(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)

結論から言うと、繰り返すフケや、髪の生え際・鼻のわき・眉間の赤みは、単なる乾燥やニキビではなく脂漏性皮膚炎の可能性があり、皮膚の常在菌(カビ)が関わるため、それに合った治療が必要です。

フケがずっと治らない、顔の同じ場所が赤くカサつく。それは脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)かもしれません。この記事では、原因、繰り返す理由、治療、シャンプーやスキンケアのコツを解説します。保険診療で対応します。

脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位に、赤み・かさつき・フケのような皮むけ・かゆみが生じる、慢性の皮膚疾患です。

出やすいのは、頭皮、髪の生え際、眉間・眉毛、鼻のわき、耳の周り・中、胸の中央など、皮脂腺の多い部位です。頭皮に出ると「フケ症」として気づかれ、顔に出ると「赤み・カサつき」として、乾燥やニキビと間違われることがあります。

原因はカビ(マラセチア菌)

脂漏性皮膚炎には、皮膚の常在菌であるマラセチア菌(かびの一種)が関わっています。

マラセチア菌は誰の皮膚にもいる常在菌ですが、皮脂を栄養にして増えます。皮脂が多い環境で菌が増えすぎると、その代謝物が刺激となって炎症(赤み・かゆみ・皮むけ)を起こします。これが脂漏性皮膚炎です。単なる乾燥ではなく、菌が関わる炎症である点が、治療を考えるうえで重要です。

皮脂の分泌には、体質、ホルモン、生活習慣(睡眠・ストレス・食事)、季節などが影響します。背中や胸のブツブツとして出るマラセチア毛包炎も、同じ菌が関わります。

脂漏性皮膚炎の好発部位(頭皮・生え際・眉間・鼻のわき・耳)と、皮脂を栄養にマラセチア菌が増えて炎症を起こす仕組みを示した図
図1:脂漏性皮膚炎の好発部位と仕組み。皮脂を栄養にマラセチア菌が増えて炎症を起こします

なぜ繰り返すのか

脂漏性皮膚炎が「治ってもまた出る」のは、原因であるマラセチア菌や皮脂を、完全にゼロにはできないためです。菌は常在菌なので、治療で炎症が治まっても、皮脂が増える環境になれば再び増えて、炎症がぶり返します。

そのため、脂漏性皮膚炎は「一度で完治」より、症状が出たら治療で抑え、良い状態を保つケアを続けるという付き合い方になります。慢性疾患ですが、適切なケアで、気にならない状態を保つことは十分可能です。

放置するとどうなる?

脂漏性皮膚炎を放置すると、赤みやかゆみが続き、掻き壊して悪化したり、頭皮では抜け毛が気になったりすることがあります。フケや顔の赤みは、見た目の負担にもなります。

また、自己流でゴシゴシ洗ったり、乾燥だと思って油分の多いケアをしたりすると、かえって悪化することがあります。乾燥と決めつけず、菌が関わる炎症であることをふまえた対応が大切です。市販のフケ用シャンプーで改善しない場合は、一度診察を受けることをおすすめします。

皮膚科での治療

脂漏性皮膚炎の治療は、原因の菌を抑える薬と、炎症を抑える薬を組み合わせます。

治療働き
抗真菌薬(外用・シャンプー)原因のマラセチア菌を抑える。治療の中心
ステロイド外用薬赤み・かゆみが強いとき、炎症を抑える(短期的に)
抗真菌成分入りシャンプー頭皮の症状に。継続して使うことで再発を抑える

赤みやかゆみが強い時期はステロイド外用薬で炎症を抑え、落ち着いたら抗真菌薬中心に切り替える、というように使い分けます。頭皮には、抗真菌成分の入ったシャンプーを継続することが、再発予防に役立ちます。

費用の目安:脂漏性皮膚炎の診療は保険適用です。3割負担で、診察と外用薬でおおよそ1,000〜2,000円程度が目安です。

受診や治療を迷っている段階でも、公式LINEでご相談いただけます

「自分の症状で受診してよいのか」「まず費用の目安だけ知りたい」といったご質問は、公式LINEからお気軽にお送りください。ご予約前の確認だけでも承っています。LINEからそのままご予約いただくことも可能です。

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シャンプー・スキンケアのコツ

  • 洗いすぎない・こすりすぎない:皮脂を取りすぎると、かえって皮脂が増えたり刺激になったりします。1日1回、やさしく
  • すすぎをしっかり:シャンプーやスタイリング剤の残りが刺激になります
  • 抗真菌シャンプーの活用:頭皮の症状には、医師の指導のもとで継続使用が有効なことがあります
  • 顔はやさしい洗顔+適度な保湿:乾燥対策の油分の多いケアは、悪化することも。合うものを選びます
  • 生活習慣:睡眠・ストレス・食事のバランスも、皮脂の状態に影響します

当院での脂漏性皮膚炎の診療について

当院では、脂漏性皮膚炎・フケのご相談は月間約100件です。

当院が脂漏性皮膚炎の診療で大切にしているのは、「乾燥」と決めつけず、菌が関わる炎症として対応することです。乾燥だと思って油分の多いケアを続けたり、フケを気にしてゴシゴシ洗ったりして、かえって悪化しているケースが少なくありません。原因に合った抗真菌薬・シャンプーと、炎症を抑える薬を使い分け、良い状態を保つケアまでご提案します。

また、繰り返しやすい疾患であることをお伝えし、「完治」を焦るより、上手に付き合う方法を一緒に考えます。

相模大野エリアでは、季節の変わり目や、汗ばむ時期・乾燥する時期にご相談が増える傾向があります。

診察室でよくいただくご質問

「乾燥だと思って保湿していたのに良くならない」というお声をよくいただきます。脂漏性皮膚炎は、乾燥ではなく皮脂と菌が関わる炎症なので、油分の多い保湿をしてもかえって菌の栄養になり、悪化することがあります。原因が違えば、対応も変わります。フケや顔の赤みが、市販のケアで良くならないときは、一度診察で原因を確かめることをおすすめします。

よくあるご質問

Q1. フケがずっと治りません。脂漏性皮膚炎ですか

繰り返すフケや頭皮のかゆみは、脂漏性皮膚炎の可能性があります。原因のマラセチア菌に対する抗真菌薬やシャンプーで改善が期待できます。市販のフケ用シャンプーで治らない場合は、一度診察をおすすめします。

Q2. 乾燥とどう違いますか

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部位に、菌が関わって起こる炎症です。単なる乾燥と違い、油分の多い保湿をするとかえって悪化することがあります。見分けが治療の出発点になります。

Q3. 治りますか

繰り返しやすい慢性疾患ですが、治療で症状を抑え、良い状態を保つことは十分可能です。「一度で完治」より、症状が出たら抑え、ケアを続けて付き合っていくイメージです。

Q4. ステロイドは使い続けて大丈夫ですか

赤みやかゆみが強い時期に、短期的に使うことが多く、落ち着いたら抗真菌薬中心に切り替えます。漫然と長期使用するのではなく、医師の指導のもとで使い分けるのが基本です。

繰り返すフケ・顔の赤みでお悩みの方は、一度ご相談ください。
乾燥と決めつけず、原因に合った治療とケアをご提案します。

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監修:山岸 大樹(やまぎし ひろき)

スキンクリニック相模大野 院長

香川大学医学部卒。東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科に長年勤務し、地域クリニックでも診療経験を積む。2024年8月、相模大野にて開院。一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く診療にあたる。

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

参考文献・引用元

  • 日本皮膚科学会「脂漏性皮膚炎」疾患情報
  • 各医薬品の添付文書
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」

※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の効果には個人差があります。記載の費用は2026年9月時点のもので、保険点数の改定等により変動する場合があります。自由診療の料金はすべて税込表示です。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。