やけど

やけど(熱傷)とは

熱による皮膚や粘膜の外傷です。

一般的には熱い飲み物や水蒸気などが皮膚に触れ、炎症が起きることが原因です。また、湯たんぽなどが原因で起こる「低温やけど」は、50-60度前後の低い温度でも、長時間皮膚に接触しているとやけどになります。長時間やけどの原因に触れ続けていることで、普通のやけどよりも深くダメージが加わってしまう傾向があります。また、昨今は充電器などの電流による、電撃傷の症例報告も出てきています。

やけど(熱傷)の症状と分類

やけどの深さに応じて、大まかに4分類されています。

  • I度熱傷

皮膚表面のみのやけどです。皮膚の赤みや痛み、軽い腫れが生じます。

適切な治療ができれば1週間程で治ることが多いです。やけどの痕に一時的に色素沈着を起こすことがあるので、治った後も日焼けなどの刺激を与えないようにします。

  • 浅達性II度熱傷

表皮全層と真皮の浅い層までにおよぶやけどです。赤みと一緒に水ぶくれができ、痛みが生じます。適切な治療ができれば2週間程で治っていきます。やけどの痕になる可能性があるため、早期に適切な治療を受ける必要があります。

  • 深達性II度熱傷

真皮の深い層までおよぶやけどです。白い水ぶくれができ、皮膚がただれます。

神経損傷を起こす場合があり、炎症が深いのに浅達性II度熱傷よりも痛みが少ないことがあります。傷跡になり、ケロイド様のひきつれが起こりやすく、症状によっては外科的治療が必要になります。

  • III度熱傷

皮下組織までおよぶやけどで、皮膚が炭化し、黒色もしくは褐色になります。神経損傷が強いため、痛みが少ないのが特徴です。原則として外科的治療が必要となりますので、基本的には大学病院などの高次医療機関へのご紹介となります。

受診までの対応

やけどをした場合、とにかく冷やしましょう。流水でしっかりと洗浄、冷却を行い、濡らしたタオルなどで傷を保護して下さい。その上から保冷剤などを当てるなど、傷を冷やしながらご来院ください。直接氷や保冷剤などを当ててしまうと、凍傷になる恐れがありますのでご注意下さい。すぐに受診できない場合は、十分に冷やした後、医師の診察を受けるまでの間ガーゼなどで覆うようにして下さい。

また、火傷した部分にハイドロコロイド絆創膏(キズパワーパッドなど)を貼るのは避けて下さい。粘着力が強いため、剥がす際に弱った皮膚ごと持っていかれてしまう場合があります。

やけどは軽いものでも痕が残ることがあります。感染を起こすこともあるので、自己判断ではなく、すぐの受診をおすすめします。症状を診た上で、ステロイド剤など軟膏による治療を行います。外科的治療が必要な際は、高次医療機関を紹介します。