薬疹

薬疹とは

薬によるアレルギー反応で生じる、皮膚症状のことを指します。原因となる薬は、医療機関で処方された飲み薬や注射薬だけではなく、市販薬やサプリメントなどでも症状を起こすことがあります。

薬疹は、4型アレルギーと呼ばれる遅延型アレルギー反応によって起きることがほとんどで、薬を使用してから過敏反応を起こすようになるまでには、ある程度の期間(1-3週間)を要します。そのため飲み始めてすぐの薬剤ではなく、比較的長い間飲んでいる薬の影響であることが多いです。

薬疹の症状

薬疹の皮膚症状は様々で、他の皮膚疾患との区別が難しい場合があります。

そのため、薬疹の診断には御本人のお話やお薬手帳などで、薬の服用歴を詳しく知ることが重要です。薬疹は軽く見てはいけない病気で、重症化すると死に至ることもあるため、日々注意しながら診療を行っています。

また、口の中や目のまわり、尿道などの粘膜部分に症状が現れると重症化のリスクが高いため、そういった症状が出てきた場合には、入院での治療をおすすめすることがあります。

薬疹の治療

まず原因となっている薬剤の使用を中止することが一番の治療です。そのうえで抗アレルギー薬の内服、ステロイドの外用薬などを開始します。一方で、薬疹は一度症状が改善しても、症状がぶり返し、そこから重症化することがあります。場合によっては、ステロイドの内服・注射による治療や、入院での治療が必要になります。

薬疹が疑われる場合には、必ずご受診いただいたうえで、指示を仰いで、治療と再発防止をしましょう。

薬疹を起こしたことのある方へ

薬疹を起こしたことがある方は、その薬剤は今後使用してはいけません。再投与により激烈なアレルギー反応を起こすことがあります。また、薬疹を起こしたことのある方は、御本人でしっかりその薬の事を覚えておいていただくこと、また近親者などにその事を伝えておいていただくようにご案内しています。