虫刺症

虫刺症/虫刺されとは

名前の通り、虫に刺されたり咬まれたりすることで起こる皮膚炎の総称です。

刺された部位が赤くなる、腫れるなどの症状が現れ、痒みや痛みがでます。皮膚に注入された物質によるアレルギー反応によって生じ、刺されてすぐ起こる「即時型」と、1日-数日後に起こる「遅延型」があります。

「即時型」は数時間で症状が落ち着きますが、「遅延型」は水ぶくれなどの症状を伴い、治るのに1週間程度かかります。

虫に刺された時の対処方法

虫の種類によっては重い症状が出るものもあります。放置せずにすぐ受診ができると良いのですが、できない場合、虫の種類によって次のような対策を取るようにしましょう。

  • ハチに刺された/ムカデに咬まれた

顔が腫れる、息が苦しくなるなどの症状(アナフィラキシー症状)が出た場合には、直ちに救急病院への受診が必要です。救急車を呼んで下さい。

また、1度目は大丈夫だが2度目は危険、というお話を聞かれたことがあるかと思います。1度刺されてしまった方は、次に刺されないようにする、つまりは虫の多い森などに行かないようにするのが一番良い対処法です。仕事上接触を避けることができないなどの場合、アナフィラキシー対策としてエピペンを持つようにしましょう。当院でも処方が可能です。なお、エピペンを使用した場合でも、必ず救急受診をしてください。

  • マダニに咬まれた

マダニを無理に剥がそうとすると、虫の一部(口器)が皮膚の中に残り痕になる、あるいは細菌感染をおこすことがあります。また、マダニの中には感染症を起こす病原を持っているものがあり、日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など、重篤な感染症を引き起こすことがまれにあります。

マダニに刺された疑いがある場合は、触らずにすぐ受診しましょう。

  • 毛虫の毒針毛に触れた(毛虫皮膚炎)

主な原因となるのは、チャドクガの幼虫です。目に見えない毒針毛が皮膚に触れることで、激しい痒みや赤みが生じます。直接触れていなくても、近くを通ったときに抜けた毛が風に飛ばされて、皮膚に付着することがあります。また、植物や洗濯物に毒針毛が付着していることもあります。

チャドクガの幼虫はツバキ、サザンカなどの木に生息しています。5~9月に発生するので、この時期は注意が必要です。

虫刺され(虫刺症)の治療

赤みやかゆみに対して、ステロイドの塗り薬や抗アレルギー薬を処方します。引っ掻いてしまうと、傷ついた皮膚から細菌が入り、いわゆる「とびひ」を起こすことがあります。刺された部分はいじらないようにして、石鹸などできれいに洗うようにしましょう。特にお子様は注意が必要です。また、かゆみや腫れが強い時は冷やすのも良い対応です。

なにより刺されないようにすることが大切ですので、虫除けスプレーの使用や服装に注意して対策をしましょう。