水いぼ

水いぼ(伝染性軟属腫)とは

医学的には伝染性軟属腫と言い、ウイルス感染によって生じる感染症です。やや光沢のある1~5mmほどのぷつぷつしたものが生じます。ぷつぷつは、白色-ピンク色をしており、つまむと白い膿のようなものがでてきます。このなかにウイルスが含まれているため、そこを引っ掻いたり、触ったりした手でほかの部位を触ると、どんどん広がっていきます。水いぼの周囲は乾燥して湿疹を起こすことが多く、痒みがでることがあります。

小児に多く、子ども同士が遊んで触れ合う時に感染し、特に肌が直接触れやすいプールなどで感染することが多いです。タオルやビート板など、物を介して間接的に感染することもあります。

基本的には、小学校低学年までの小児にのみ感染します。成人になると免疫が成立して感染しなくなりますが、老年期になり免疫が低下すると感染することがあります。また、まれに成人例もあり、何らかの免疫機能低下を起こす疾患をお持ちの場合に感染します。広い範囲で多発している場合はHIV感染などを疑う必要があります。

水イボ(伝染性軟属腫)の治療

ある程度の年齢になれば自然治癒しますので、治療に関しては意見が分かれるところです。ただ、他のお子さんに移してしまう、見た目が気になる、保育園や幼稚園などの集団生活で制限が出る、引っ掻いてしまい広がって痒みがでるなどのデメリットもあるため、当院では治療を推奨しています。

専用のピンセットを使い、水イボをひとつずつ摘んで取っていきます。細かい治療となりますが、小さすぎるもの以外は取り除くことができます。痛みを伴うため、ご希望の方には、事前に局所麻酔のテープを貼って施術します(初めて局所麻酔テープを使用する際は30分院内で様子を見る必要があります)。心配な方は、診察にてご相談ください。

痛くない水いぼの塗り薬:M-BF Cream

水いぼクリーム(M-BFクリーム)は、水いぼの治療に用いる外用治療薬です。強い抗ウイルス作用を持つ銀イオンを主成分とし、イボやその周辺に塗布することで治癒を目指します。

従来の水いぼの治療は、麻酔テープとピンセットを使って取るのが一般的でした。そのため、処置に痛みを感じたり、怖がってしまうお子さまも少なくありません。 一方で、水いぼクリームは塗るだけの治療薬という点で、負担が比較的少ないのも特徴の一つです。

2週間から3ヶ月程度外用していただくと、免疫反応により、水いぼの部分が赤くなって取れてきます。3ヶ月以上塗っていただいても落ち着かない場合は別の治療をおすすめしております。

※処方には診察が必要です。

■使用方法:朝晩2回、水いぼのある部分に広めに伸ばして塗布

■価格:¥2,200(税込)

日常生活の制限について

子供の登校、または登園を制限する必要はありません。プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますので、共用することはできるだけ避けて下さい。

医学的には上記の対応となりますが、法令で決められた対応はありません。それぞれの園やスイミングスクールなどで対応が異なる場合があります。詳細については、通われている施設へのご確認をお願いいたします。