帯状疱疹のワクチン
帯状疱疹予防ワクチンは 50 歳以上の方、または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方であれば、どなたでも任意接種可能です。過去に帯状疱疹に罹ったことのある方でも接種できます。
ワクチン接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、発症したときに症状の程度を抑えることが期待できます。50歳以上の方、もしくは18歳以上で帯状疱疹に罹患するリスクが高い方にはワクチン接種が可能です。
帯状疱疹ワクチンは2種類あり、それぞれ特徴があります。
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」:1回8000円
子どもに使用する水痘ワクチン(生ワクチン)と同じ構造のものです。予防効果は50~60%で、下記の「シングリックス®」 より低く、また数年毎に追加投与が必要です。一方で副反応が少なく、価格も抑えることができます。過去に水痘(水ぼうそう)や帯状疱疹にかかったことがある方におすすめです。
また、以下に当てはまる方は接種ができません。
・化学療法やステロイドなど免疫を抑える治療をしている方
・免疫力が落ちている方(HIV感染)
・妊娠していることが明らかな方
・水痘ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある方
・カナマイシン、エリスロマイシンの抗生剤にアレルギー反応を起こした方
帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」:1回21000円
帯状疱疹を予防するために開発されており、米国では帯状疱疹に対するワクチンとして、この薬剤のみが使われています。不活化ワクチンと言われるもので、有効性、発症予防硬化が高く、また有効性が長期間持続するのが特徴です。一方で注射した部分の赤みや腫れ、発熱といった副反応が起きやすい傾向にあります。
また、以下に当てはまる方は接種ができません。
・明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある方
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
・本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
・上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方
予防効果からみると「シングリックス®」がよいのですが、価格や副反応などから「ビケン」を選ぶこともあります。どちらのワクチンが適切かなどは、実際にご相談いただければご案内できますので、帯状疱疹予防ワクチンについて不安や疑問がある方は、まずは気軽にご相談ください。
名前 | 乾燥弱毒生水痘ワクチン 「ビケン」 | 帯状疱疹ワクチン 「シングリックス」 | |
種類 | 生ワクチン | 不活性化ワクチン | |
効果 | 発症予防 | 50~59歳 約70% 60歳以上 約50% | 50歳以上 約97% 70歳以上 約90% |
帯状疱疹後 神経痛 | 60歳以上 66.5%軽減 | 50歳以上 100%軽減 70歳以上 85.5%軽減 | |
持続性 | 5年程度 | 少なくとも10年間 | |
接種対象 | 50歳以上 | 50歳以上、あるいは帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者 | |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉内注射 | |
接種回数 | 1回 | 計2回(2か月あけて2回接種) | |
価格 | 8,000円 | 1回21,000円 |
接種の流れ
まずは通常と同じように一度ご来院いただき、診察を受けていただきます。
どのワクチンが適しているのか、ご案内いたします。
ワクチンの種類によっては、2か月の間隔で2回の接種が必要です。予約を調整いたします。
また、同時に問診票もお渡しいたしますので、ご記載をお願いいたします。
ご予約の日程で接種を行います。ご予約の変更・キャンセルをご希望の場合、お早めにご連絡ください。
初回の接種後は30分程度、院内で待機が必要です。
接種当日は激しい運動を避け、注射部位を清潔に保ってください。接種当日の入浴は差し支えありません。接種後に接種部位の異常な反応や体調の変化を感じた場合、高熱、けいれんなどの異常な症状があらわれた場合には、すぐに医師の診察を受けてください。