ピコレーザーによるシミ取り

公開日:2026年6月16日/最終更新日:2026年7月18日 | 執筆・監修:スキンクリニック相模大野 院長 山岸 大樹(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)

結論から言うと、ピコレーザーは複数のモードを使い分けられるレーザーで、シミの種類に合わせた治療ができるのが強みです。

ただし「どんなシミも1回で消える万能機器」ではありません。シミの種類によって適したモードも必要な回数も変わります。この記事では、ピコレーザーの仕組み、従来レーザーとの違い、モードごとの使い分け、費用、副作用を解説します。すべて自由診療です。

ピコレーザーとは

ピコレーザーは、レーザーを照射する時間が非常に短いレーザー機器です。「ピコ」とは1兆分の1を表す単位で、ピコ秒(10億分の1秒よりさらに短い時間)単位で照射します。

従来のQスイッチレーザーがナノ秒単位だったのに対し、ピコレーザーはその1000分の1という短さで照射します。照射時間が短いほど、熱ではなく衝撃波でメラニン色素を砕く作用が強くなります。色素をより細かく砕けるため、周囲の組織への熱の影響が少なく、砕けた色素は体の代謝で排出されやすくなります。

ピコレーザーとQスイッチレーザーの照射時間と色素を砕く仕組みの違いを示した図
図1:ピコレーザーは照射時間が極めて短く、色素を細かく砕きます

従来のレーザー(Qスイッチ)との違い

ピコレーザーQスイッチレーザー
照射時間ピコ秒(極めて短い)ナノ秒
色素を砕く力細かく砕けるピコより粗い
熱による影響少ないピコより大きい
ダウンタイム比較的短い傾向ピコより長い傾向
薄いシミへの反応反応しやすい取りきれないことがある

当院が導入しているDiscovery PICO PLUSは、ピコレーザーとQスイッチルビーレーザーの両方を搭載しています。濃く深いシミには切れ味のよいQスイッチ、薄いシミや肌質改善にはピコ、と使い分けられます。

ピコレーザーのモードと使い分け

ピコレーザーは照射方法を変えることで、複数の治療に対応します。

ピコスポット

濃いシミにピンポイントで高いエネルギーを当てる方法です。境界のはっきりした老人性色素斑やそばかすに向いています。熱が少ないため、炎症後色素沈着のリスクを抑えやすいのが特徴です。

ピコトーニング

低いエネルギーを顔全体に繰り返し当てる方法です。肝斑やくすみに用います。一般的なスポット照射では悪化する肝斑にも対応できるモードです。

ピコフラクショナル

点状にエネルギーを照射し、肌の奥に小さな衝撃を与えてコラーゲン産生を促します。毛穴・ニキビ跡・小じわ・肌質の改善が目的で、シミというより肌のリモデリング(作り直し)に近い使い方です。

シミの種類ごとの適したモード

お悩み適したモード回数の目安
濃い老人性色素斑ピコスポット/Qスイッチ1〜3回
そばかすピコスポット/IPL複数回
肝斑ピコトーニング+内服5回以上
くすみ・色ムラピコトーニング5回以上
毛穴・ニキビ跡ピコフラクショナル3〜5回

ご自身のシミがどの種類かによって選ぶモードが変わります。種類の見分け方はシミの種類と治療法で詳しく解説しています。

ダウンタイムと経過

モードによって経過が異なります。

  • ピコスポット:照射部位がかさぶたになり、1〜2週間ではがれます。その間はテープで保護します
  • ピコトーニング:ほぼダウンタイムなし。当日からメイク可能です
  • ピコフラクショナル:数日の赤み。翌日からメイク可能です

施術の流れとダウンタイム

  1. 診察・診断:シミの種類をダーモスコピーで確認し、モードを決めます。良性か悪性かの見極めもここで行います
  2. 洗顔・冷却:メイクを落とし、必要に応じて照射部位を冷やします
  3. 照射:モードにより数分〜20分程度。輪ゴムで弾かれるような感覚があります
  4. アフターケア:スポット照射部位には保護テープを貼ります。日焼け止めと保湿の指導を行います
モード施術直後その後の経過
ピコスポット赤み・軽い腫れ数日でかさぶた化し、1〜2週間で自然に剥がれる。テープ保護が必要
ピコトーニングほぼ変化なし当日からメイク可。まれに一時的な赤み
ピコフラクショナル赤み・ほてり数日で落ち着く。軽い皮むけが出ることがある

いずれのモードでも、治療後は普段以上に紫外線対策が重要です。照射後の肌は色素沈着を起こしやすい状態になっているためです。効果には個人差があります。

費用(自由診療・税込)

施術料金(税込)
ほくろ・シミのレーザー除去(5mmまで)5,500円/照射1回
ピコスポット/ピコトーニング/ピコフラクショナル 他料金表ページをご確認ください
初診料(画像診断機NeoVoir撮影込)4,400円
再診料1,100円

当院ではピコトーニングに回数割引を設定していません。過剰な照射による脱色素斑を避けるため、画像診断機で状態を確認しながら進める方針をとっているためです。

副作用・リスクと受けられない方

起こりうる副作用

  • 照射後の赤み・ヒリつき・腫れ
  • スポット照射後のかさぶた、一時的な色素沈着
  • 水疱、色素脱失(白く抜ける)、瘢痕(まれ)
  • トーニングの過剰照射による脱色素斑

施術を受けられない方

  • 妊娠中の方
  • 光線過敏症・てんかんの既往がある方
  • 金製剤の内服歴がある方
  • 日焼け直後の方
  • ケロイド体質の方

未承認医療機器に関する情報提供

Discovery PICO PLUSは、日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院医師の判断のもと、個人輸入により入手しています。同一の性能を有する国内承認医療機器はありません。諸外国における安全性等に係る情報として、重大な副作用等が明らかになっていない可能性があります。個人輸入された医療機器は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。

施術を迷っている段階でも、公式LINEでご相談いただけます

「自分の肌に合う施術か知りたい」「まず費用の見積もりだけ聞きたい」といったご質問は、公式LINEからお気軽にお送りください。ご予約前の確認だけでも承っています。LINEからそのままご予約いただくことも可能です。

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当院でのピコレーザー治療について

当院がピコレーザーで重視しているのは、照射の前に「そのシミがどの種類か」を確定させることです。ピコレーザーは万能機器のように紹介されることがありますが、実際にはモードの選択を誤ると改善しなかったり、肝斑を悪化させたりします。ダーモスコピーと画像診断でシミの種類・深さを見極めてから、適したモードを選びます。

相模大野エリアでは、日焼け後の秋口にシミのご相談が増える傾向があります。

診察室でよくいただくご質問

「1回で全部消えますか」というご質問をよくいただきます。濃くはっきりした老人性色素斑なら1〜3回で目立たなくなることが多いですが、肝斑やくすみは複数回かけて少しずつ改善するタイプです。同じ顔の中に複数種類のシミが混在していることも多く、種類ごとに回数が変わることを最初にお伝えしています。

よくあるご質問

Q1. ピコレーザーはシミが再発しますか

治療したシミそのものが再発することは多くありませんが、紫外線を浴び続ければ新しいシミができます。治療後の紫外線対策が、結果を長持ちさせる鍵になります。

Q2. 照射後すぐにメイクできますか

ピコトーニングは当日から、ピコフラクショナルは翌日からメイク可能です。ピコスポットの場合はテープ保護が必要なため、テープが外れるまで(1〜2週間)は該当部位のメイクをお控えいただきます。

Q3. 痛みはありますか

輪ゴムで弾かれるような刺激があります。スポット照射は一瞬強く感じますが、トーニングは比較的マイルドです。ピコフラクショナルは表面麻酔を使用します。

Q4. ダーマペンとどう違いますか

ピコフラクショナルはレーザーの衝撃波、ダーマペンは物理的な針で、いずれも毛穴やニキビ跡に用います。色素沈着も同時に気になる場合はピコ、より深い凹凸にはダーマペンが向くことがあります。ダーマペン4の記事も参考にしてください。

シミやくすみでお悩みの方は、一度ご相談ください。
シミの種類を見極めたうえで、適した治療をご提案します。

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監修:山岸 大樹(やまぎし ひろき)

スキンクリニック相模大野 院長

香川大学医学部卒。東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科に長年勤務し、地域クリニックでも診療経験を積む。2024年8月、相模大野にて開院。一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く診療にあたる。

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

参考文献・引用元

  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」
  • 厚生労働省「個人輸入された医薬品等の使用に関する注意喚起」
  • 日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」

※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の効果には個人差があります。自由診療の料金はすべて税込表示で、2026年7月時点のものです。料金は予告なく変更となる場合があります。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。