ニキビは、毛穴の中に皮脂が溜まり、細菌感染が起きることで赤みや腫れを引き起こす疾患です。医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と言います。皮膚科での治療を続けたことがない方はまず保険診療から開始しますが、それでも改善が乏しい方には自費治療の選択肢もご用意しています。
ニキビの原因
思春期ニキビはホルモンバランスの乱れによる皮脂分泌の増加と毛穴の詰まりが主な原因です。おでこやTゾーン、背中・胸元など皮脂腺の多い部位にできやすいのはそのためです。大人のニキビも基本的には毛穴の詰まりが原因で、ターンオーバーの乱れや化粧品による毛穴の閉塞が関与することがあります。
ニキビの原因菌であるアクネ菌は皮脂腺の奥に存在する常在菌です。毛穴内の皮脂が増えると皮脂を養分として過剰増殖し、炎症を引き起こします。皮脂分泌を抑えること・毛穴の詰まりを解消することがニキビ治療の基本です。
ニキビの治療(保険診療)
毛穴の詰まり(コメド)の解消と、抗菌薬による炎症のコントロールを中心に治療を行います。皮膚科でまだ治療を受けたことがない方は、まず保険診療の範囲内で治療を開始することをお勧めしています。ターンオーバーを考えると、まず3ヶ月は治療を続けることで、ニキビができにくい肌を目指せます。
コメド治療薬(ピーリング作用のある外用薬)
コメド(面ぽう)とは、皮脂や角質によって毛穴が詰まった状態です。以下の外用薬でコメドを解消することで、アクネ菌の増殖を防ぎます。
ディフェリンゲル(アダパレン)
皮膚の角化を緩和し、毛穴の詰まりを改善します。毛穴の詰まりを改善することで、アクネ菌の増殖(炎症)を防ぎます。
ベピオゲル/ローション(過酸化ベンゾイル)
ピーリング作用に加えて殺菌作用もある薬です。ローションタイプや洗い流すウォッシュゲルという製剤もあり、こちらはやや刺激が少ない印象です。衣服に付着すると脱色することがあるため注意が必要です。
エピデュオゲル(アダパレン+過酸化ベンゾイル配合)
ディフェリンゲルとベピオゲルが合わさった塗り薬です。保険治療薬のなかでは最も有効性に優れていますが、その分刺激を感じる方もいます。
コメド治療薬の使い方
いずれも1日1回、夜の洗顔後に患部に塗布します。目の周り・口唇・粘膜・傷口は避けてください。翌朝の洗顔時に洗い流します。早ければ2週間程度で効果を実感できますが、ターンオーバーの観点からできれば2〜3ヶ月は続けることをお勧めします。
赤み・ヒリヒリ感・皮むけ・乾燥が出ることがあります。外用が顔に乗っている時間が長いほど効果は出やすいですが副反応のリスクも上がります。当院ではまず30分程度の短時間外用から開始し、徐々に時間を延ばす方法をお勧めしています。
抗菌薬(赤ニキビの治療)
アクネ菌による炎症が生じた赤ニキビは、放置すると皮膚内部で炎症が広がり組織が傷ついて「ニキビ跡」になってしまいます。細菌感染のコントロールを目的として、外用薬・内服薬の抗菌薬を使用します。
外用抗菌薬
アクアチム(ナジフロキサシン)・ダラシン(クリンダマイシン)・ゼビアックスなど。いずれも炎症のある赤ニキビの上に塗布します。抗菌薬の長期使用は耐性菌を生じさせるリスクがあるため、自己判断で漫然と使い続けず医師の指示に従って治療しましょう。
内服抗菌薬
炎症の強いニキビの場合に処方します。耐性菌の発生予防を含め、最長でも2週間で内服を終了していただいています。
デュアック配合ゲル(クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル配合)
1日1回の使用で良いので使いやすい外用薬です。混合薬のため耐性菌のリスクが少なく、上手に使えると非常に便利です。赤みが出やすい方がいます。
保険診療で改善しない方へ:自費治療の選択肢
米国などと比較すると、日本の保険診療だけでは治療の選択肢が少ないのが現状です。保険診療で改善が乏しい方・重度・難治性のニキビにお悩みの方には、以下の自費治療をご提案できます。
自費治療についてのご注意
自費治療はすべての方に適応があるわけではありません。当院では「まず保険診療で治療が可能かどうかを確認してから自費治療をご提案する」という方針をとっています。どうしても合わない方・保険診療で改善が乏しい方には自費治療の外用・内服薬もご案内できますので、ご希望があれば診察でご相談ください。
よくあるご質問
皮膚科でニキビ治療を受けたことがありません。まず何から始めますか?
まず保険診療でコメド治療薬(ディフェリンゲル・ベピオゲル・エピデュオゲルなど)と抗菌薬の外用から開始します。3ヶ月を目安に続けることでニキビができにくい肌を目指します。その上で改善が乏しい場合に自費治療を検討します。
ニキビ跡が残っています。治療できますか?
ニキビ跡の種類(赤み・茶色いシミ・凹凸クレーター)によって最適な治療が異なります。赤みや色素沈着にはレーザーやトレチノイン、クレーターにはダーマペン4やピコフラクショナルが有効です。診察でお悩みをお聞きした上でご提案します。
繰り返すニキビが治りません。どうすればいいですか?
難治性・繰り返すニキビには皮脂腺の肥大化が関与していることが多く、通常の外用薬では対応が難しいことがあります。イソトレチノイン内服が有力な選択肢です。まずは診察でご相談ください。
なかなか治らないニキビでもご相談ください。
保険診療から自費治療まで、症状に合わせた治療をご提案します。
※本ページの内容は情報提供を目的としたものであり、診断・治療を確約するものではありません。治療の適応・効果には個人差があります。医療広告ガイドラインに基づき作成しています。
